毛は剃ると濃くなるの?
まだ10代の頃の事、おもしろ半分で顔の産毛をカミソリで剃っていたら、
おばぁちゃんに慌ててたしなめられた経験がある。
「駄目駄目。剃るとね、自然に毛深くなっていくから、女の子は絶対に顔にカミソリをあてたりしたら不適当よ」と。
以来、
「剃ると濃くなる」ということばが頭の中で呪いのようにこだまして、もちろん、
顔剃りの経験は少なからずあるのだが、
後ろめたい思いと濃くなったらどうしようという焦りが交錯し、髪剃を持つ手に少し迷いが生じてしまう。
顔剃りの話ではないのだが、もう1個、似たような体験がある30代の後半のことだっただろうか、
髪の中に白髪を見つけてびっくりし、鏡を見ながら抜いていたら、こんどはおかぁちゃんにたしなめられた。
「駄目駄目。白髪は抜くもんじゃあないわよ」と。
50代も半数になれば、ただでさえ毛量の減少に悩んでいるというのに、
いちいち抜いていたら、自体だけでなく頭髪を失ってしまう事になる。
というよりも、そんな事をするのが到底、追いつかない年頃になってしまった事情である。
しかし、1本2本と白髪が気になり始めた頃、毛抜きで抜こうとするたびにしり込みが生じたのは事実である。
「剃ると毛深くなる」
「白髪は抜けば抜くほど増えていく」
私のばあちゃんや母に限らず、同じような事をロにし、それを信じている人は少なくないと思うが、
はたして本当のことはどうしたものなのだろう。
調べる内に、ズバリその正解を見つけた。
とりあえず、ヒゲは剃ると実態に濃くなるのか、という課題の答えはこれだ。
「毛は先端に近いほど細くなる形状だ。
こうした毛を剃った場合、成長期の毛が根元の太い一部で切断されることになる。
毛根は残っているから、毛はそのまま増大を続け、剃る前は根元にあった太い一部分が切断されることになる。
当然、触るとチクチクざらざらという感覚になり、剃る前の毛に比べ「太くて黒い」ように感じてしまうだろう」
との事。
すね毛と腋毛を例にとっているので、顔の産毛だと多少ピンとこない部分があるが論法は同じだろう。
等しく板見氏の著から結論を見出すと、この説にも科学的証拠はまったくないという事である。
白髪の出現は、メラノサイトの機能低下や消失によるものだが、
白髪を抜く事で周囲のメラノサイトが妨害を受けることはないそうである。
ただし、無茶に抜くことで毛根の形が変わり、次に生えてくる白髪にウェーヴがかかったりして、
白髪の存在を目立たせる事になるので、抜くという方法は絶対にすすめられないという。
いやはや、まことしやかな俗説には時間がかかりそうである。
